水苔を追加する、ということの意味。
小苗で購入したビカクシダは1年もたつとかなり大きくなてしまいます。
そのため子株の時に着生させた株の水苔は、すぐに少なくなってしまうものです。
普通の鉢物植物の場合、小さい鉢のままでは大きく育つことができず、生育不良に陥ってしまいます。
板の大きさ:鉢の大きさ
水苔の量 :土の量
こう考えるとわかりやすいのではないでしょうか。
水苔の追加として考えた場合、私たちができる対処方の選択肢は2つ。
・着生板ごと交換
・水苔だけ追加
それぞれメリット・デメリットを含めて見ていきます。
着生板ごと交換
読んで字のごとしですが今ついている板からビカクシダをはがし、別の着生板につけることです。
こちらはもともと右にあるコルク板に付けていたリドレイ×コロナリウムのP.Mt.kitshakoodを左の板に付け替えたところです。
メリットとしては着生板が大きくなることで当然水苔を追加できるので根の生育に非常に有用なところ。また、板が小さいとどうしても株が前のめりになってしまったり不格好になりがちですが、着生板が大きいとその分横に伸びることができるので不格好になりにくいところでしょう。なお、付け替えの際に現在の形から綺麗な形に矯正できるところも良い点です。
付替えをする際は同時に今まで使っていた古い水苔の交換もできます。オマケとして、今まで風通しの悪かった株には水苔の内部にベラボンを使って通気性アップも図れたりします。
デメリットとしてはどうしても着生板が大きくなってしまうため置き場所に限界がある人には向かないといったところでしょう。また、コツがつかめていない場合ビカクシダをもとの着生板から剥がすときに痛める可能性があることです。
余談ですが、このキチャクッドは意外とがっつり元のコルクにくっついており、結構焦りました。(リドレイ系は着生するよりも葉で抱きかかえるらしい)
剥がす際はあまり株を引っ張らずに、どうしても剥がれない場合、カッターやナイフを板と水苔の間に一度通し、くっ付いている根を切ってしまいましょう。
また、剥がしたり水苔の交換をする場合根の整理がありますので、やはり季節を選んでしまうのも悪いところです。春~初夏限定と考えると間違いはないです。
水苔だけ追加
こちらは現在使っている着生板に直接水苔を追加してやる方法です。今の板にこれ以上水苔置けないよ、といった方は着生板の交換を選択してください。
追加方法はとても簡単で、以下となります。
1.着生時の紐がついているならそれを切る。紐が簡単に取れそうなら引っ張って除去。取れなそうなほど根が回っていて、引っ張っても全然取れない場合無理にとらず水苔から出ている紐をハサミでトリミング。
上の図では緑がビカクシダ。茶色が今まであった水苔、黄色が追加した水苔です。茶色い古い水苔の周りに取り囲む形で、このくらい追加してしまってOKです。
3.紐で縛りながら将来の貯水葉の展開をイメージしながら整形する。先日も書きましたが形の悪くなっているビカクシダへはビニールテープを使用すると形がきまりやすいです。
メリットとしては現在使用している板を交換しないので場所問題が発生しないことです。またビカクシダを剥がす必要がないため株へのダメージがないことでしょう。根をいじくらないので季節を選ばずできるところも良い点です。
デメリットとしては、古い水苔の交換ができないこと。また、近い将来いずれかのタイミングで結局、板ごと交換が発生する可能性が高いです。あくまで応急処置として考えたほうがいいかもしれません。
メリットとデメリットの整理
着生板ごと交換する場合
◆メリット
・着生板が大きくなることで水苔の量を調整可能
・根の整理ができるので、生育に非常に有用
・横に伸びることができるので不格好になりにくい
・綺麗な形に矯正できる
・古い水苔の交換もできる
◇デメリット
・置き場所に限界がある人には向かない
・コツが若干いるかも。慣れてないと剥がすときに痛める可能性がある。
・作業に時期を選ぶ
水苔だけ追加する場合
◆メリット
・現在使用している板を交換しないので場所問題が発生しない
・株へのダメージがない
・季節を選ばず、いつでも思い立った時にできる。
◇デメリット
・古い水苔の交換ができない
・いつか板ごと交換が必ず発生する。あくまで応急処置。
いかがでしょう。鉢物でいう植え替えと鉢増しに似ていますね。
ビカクシダといえど、根の張るスペースを増やすという点では変わりません。
もし、今現在水苔少ないかなあと思う方はぜひチャレンジしてみてくださいね。
編集後記
ところで水苔を追加することってなんかいい言葉ないのかしら・・・。
「盛り苔」「水苔マシマシ」「追苔」うーんどれもピンとこない(;^ω^)